愛知沖のメタンハイドレート4年ぶり採掘成功、関連銘柄への影響は?

メタンハイドレート

「燃える氷」メタンハイドレートが株式市場に与える影響とは

久しぶりにメタンハイドレート関連のニュースが入ってきましたね。

日本近海の海底に眠るメタンハイドレートの採掘に成功すれば、
「日本は資源大国になるれる」とか、
「採掘技術は机上の空論で実用不可能」など
様々な意見がみられるメタンハイドレート。

今回のニュースが株式市場に与える影響や関連銘柄について考えてみます。

スポンサードリンク

愛知県沖で採掘成功3~4週間にわたる連続産出目指す

天然ガスの採掘成功…愛知沖のメタンハイドレート産出試験 3~4週間の連続産出目指す 経産省

 経済産業省は4日、愛知県沖の東部南海トラフで行っていた「燃える氷」と呼ばれる次世代燃料メタンハイドレートの産出試験で、天然ガスの採掘に成功したと発表した。洋上でガス産出に成功するのは、平成25年の産出試験に続き2回目。30年代後半の商業化に向け、3~4週間にわたる連続産出を目指す。

 産出試験は、地球深部探査船「ちきゅう」を使い、メタンハイドレートのある地層まで、水深約1千メートルの海底を約300メートル掘り進めた。同日未明からメタンハイドレートを水とメタンガスに分解し、午前10時ごろにメタンガスの産出を確認したという。

 今後は約1カ月間、連続運転を行い、天然ガスを安定して生産できるかを確認する。試験結果を踏まえて、民間主体の開発への移行を検討するほか、31年度以降の開発工程表を作る計画だ。

 同試験は国の委託を受けた独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)などが実施した。前回の試験では約2週間の連続産出を目指したが、海底の砂などが採掘時に巻き上がって設備に詰まるトラブルが発生し、6日で打ち切っていた。

[産経ニュース] http://www.sankei.com/politics/news/170504/plt1705040020-n1.html

メタンハイドレートとは?

メタンハイドレートとは、
メタン分子と水分子からなる包接水和物の固体で「燃える氷」と呼ばれます。

人工のメタンハイドレートは白色で、
氷のように触ると冷たく可燃性があることが所以です。

石油、石炭と同じく化石燃料の一種として取り扱われていますが、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分と少ないのが特徴です。
地球温暖化対策としても、新エネルギーとして大きな注目を集めています。

しかし海底に大量に埋蔵されていることは調査により明らかになっているものの、未だに有効な採掘方法は確立されておらず、商用化の目処は立っていないのが現状です。

注目すべき、メタンハイドレート関連銘柄は?

経済産業省は、メタンハイドレートを商業化できた場合、
市場規模は3兆3,000億円にのぼるとの試算を発表。

発表された試算通り、市場規模が3兆円を超えるものとなれば、天然資源の少ない日本のエネルギー自給率の改善だけでなく、経済的な面でも大きなメリットにもなります。

日本近海には国内の天然ガス消費量の100年分が眠っていると推定され、今回試験が成功した愛知県沖の埋蔵量は約11年分とのこと。

そのため資源開発関連会社にとっては、大きなビジネスチャンスとの認識が広まっている訳です。

ということで、日本のエネルギー事情を覆す可能性を秘めたメタンハイドレート関連銘柄をチェックしていきます。

コード 銘柄名 企業情報
1606 日本海洋掘削 産出試験関連でメタンハイドレートの掘削工事を請け負う。石油資源開発が筆頭株主。
日本メタンハイドレート調査株式会社との間で、ドリルシップ「ちきゅう」を使用するメタンハイドレート事前掘削作業に関する契約を締結する。
石油、天然ガスなどでの試掘、生産井掘削で実績を持つ同社はメタンハイドレートでも力を発揮すると見られる。
1662 石油資源開発 国が筆頭株主の国策会社。
資源開発の大手で日本で初めてメタンハイドレートの採取に成功。新潟、秋田などの天然ガス田の操業が主力。
日本メタンハイドレート調査株式会社に資本参加し、掘削試験、開発研究、将来的な商業化へのインフラ整備など、メタンハイドレート事業全般に関わり、メタンハイドレート愛知県沖の試掘で探査船のオペレーター事業者として選定されてる。
5711 三菱マテリアル メタンハイドレートの基礎試錘・実証実験の請け負い。
6269 三井海洋開発 現時点ではメタンハイドレート開発には関与していない。
浮体式原油生産貯蔵設備(FPSO)の生産を担っていることから、開発が進めば建造工事などで関与する可能性が高い。
6297 鉱研工業 地下資源工事用の掘削機械・ボーリング機器大手。メタンハイドレートの本格的な開発作業が始まればトップクラスのシェアを誇る同社の製品が使われる可能性が高く注目が集まっている。
7003 三井造船 海底のメタンハイドレートを探査し、賦存状態を把握する技術・システムを開発。
また2010年に世界初の天然ガスハイドレート(NGH)陸上輸送の実証研究も行っている。
燃料運送技術は世界トップクラス。
7011 三菱重工業  海洋資源調査船の建造。
8059 第一実業  エネルギー資源の探査・掘削用機器など。
9067 丸運 石油最大手のJXホールディングス(5020)系の液体輸送、鉄道運輸。
メタンハイドレートからガス採取に成功したことで注目される可能性も。

今回の採掘試験成功がメタンハイドレート関連銘柄に与える影響は?

メタンハイドレートは海底から採掘する必要があるという特性上、参入障壁が高く中小企業が簡単に参入できる事業ではありません。

そのため、関連銘柄は必然的に限られた国際的な大企業となってきます。
海洋資源開発技術、海洋土木技術、石油や天然ガスの運搬、取り扱いは中小企業には厳しいですからね。

そのためメタンハイドレート関連銘柄は比較的大型のものが多くなっています。

大型株の場合、関連する材料が発表されても、すぐに株価に影響を及ぼさないことも多いです。
また短期急騰や株価2倍、3倍の大化けを狙うテーマでもないかもしれません。

まとめ

今回の実験の結果を踏まえつつ、平成30年代後半には民間企業が商業化のためのプロジェクトができるよう研究開発を進めていくされているメタンハイドレート。

長い目で見ていく必要がありますが、「国策に売りなし」と言われる通り、今から注目して保有しておくことが吉と出る可能性も十分ありそうです。

大きな材料が発表される前に関連銘柄をチェックしておくのも一つの手だと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です