加熱殺菌効果なし!?意外と身近なウェルシュ菌
5月に入り、最近急に暖かくなってきましたね。
寒さが苦手な私なんかは嬉しいかぎりです。
過ごしやすくて、ありがたいのですが、この時期に気をつけなければならないのが食中毒です。
今年3月にあった、
東京都世田谷区の幼稚園で昼食にカレーライスを食べた園児ら76人が、下痢や嘔吐などの食中毒症状を訴えたニュースを覚えている方も多いのではないでしょうか?
カレーやシチューのような煮込み料理は要注意!
カレーと言えば、家庭料理の代表みたいな存在で、老若男女を問わず幅広い層で支持されている超定番メニュー。
カレーやシチューなどの煮込み料理は、作った日よりも一晩寝かした次の日の方が旨味が増し、美味しくなると言われています。
また、次の日は帰りが遅いからと前日から作り置きしたりすることもありますよね。
実はここに危険が潜んでいるんです!
寝かしたり、作り置きしていた場合、食べる直前に再加熱するので、菌も死滅するだろうと思い込んでしまいがちです。
私もそう思っていました。
ところが!
加熱によって死滅するどころか、
増えてしまうことすらある菌が存在するのです!
今回は、カレー鍋の中で菌が増殖するメカニズムや、その対策などについてご紹介します。
カレーなどに増殖しやすいウェルシュ菌とは?
まずは、対策や予防法の前にカレーなどで食中毒になる原因をご紹介します。
コレを知っておくと、
なぜその対策が有効なのかを簡単に理解することができると思います。
根本の原因は、
ウェルシュ菌という菌の増殖です。
この菌の特徴としては、
- 熱に強い(芽胞という殻で100℃以上で4時間加熱しても生きられる)
- 40~50℃で最も活発に増殖
- 無味無臭(見た目や味、においの変化で気づくことができない)
- 酸素に触れると死ぬ(嫌気性菌)
などが挙げられます。
ではウェルシュ菌に感染してしまうと、
どのような症状が出るのでしょうか?
ウェルシュ菌に感染すると、
6~18時間の潜伏期間を経て発症します。
腹痛と下痢をくり返すのが主な症状で、1日から2日ほどで自然に治ります。
嘔吐や発熱はほとんどないそうです。
命に関わることは滅多になさそうなので、
食中毒の症状としては軽いほうと言えるかもしれません。
ですが、腹痛と下痢が1日中続くのも十分に嫌ですよね。
ということで、具体的な対策や予防法についてご紹介します。
ウェルシュ菌による食中毒を予防する
1.食べる前に加熱する
ウェルシュ菌自体には加熱しても効果はほとんどありませんが、ウェルシュ菌が作り出した毒素は、過熱することで無害化されます。
冷蔵庫に入れたカレーを食べる前には、念の為、一度火を通すようにしましょう。
2.大量に作りすぎない
根本対策ですね!
理想を言えば、作ったその日に食べきれる量だけを調理するということです。
これができれば、苦労はしないんですけどねー。
3.よくかき混ぜる
再加熱するときに、よくかき混ぜるようにします。
ウェルシュ菌は酸素に触れると死滅しますので、よくかき混ぜて多くの酸素に触れさせることで、菌の増殖を抑制することができます。
4.冷蔵庫へ入れるときは小分けにする
保存するときには、ただ冷やせば良いわけではありません。
カレーなどを鍋のまま冷蔵庫へ入れてしまうと、底の方がなかなか冷えず、冷えるまでに菌が増殖してしまう可能性もあります。
そのため、冷蔵庫などで冷やす際は、なるべく底の浅いタッパーなどで小分けにして冷やすようにしましょう。
これにより、全体が冷えやすくなり、さらに空気にも触れやすくなり、ダブルの効果が期待できます!
5.具材に気をつける
ウェルシュ菌は、じゃがいもやにんじん、肉類に付いていることが多いです。
そのため、野菜はしっかり洗い、肉類は調理前に常温で長い時間放置しないようにしましょう。
まとめ
今回は、カレーの作り置きなどで発生する食中毒対策のお話しでした。
夏になるとカレーに合いそうな、夏野菜が美味しくなる季節です!
美味しさと安全は両立させたいですよね。
1.食べる前に加熱する
2.大量に作りすぎない
3.よくかき混ぜる
4.冷蔵庫へ入れるときは小分けにする
5.具材に気をつける
以上の注意点を意識して、楽しいカレーライフを送りましょう!
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